短い期間ですが私のつたないブログを閲覧していただきありがとうございました。勝手ながら、今後このブログの更新を行わず、新たな投稿は「アクアコンパス」 に集中させます。いままでの御愛顧ありがとうございました。
ここ数年、私が欠かさず見るテレビ番組は韓国歴史ドラムだけでした。しかし今は中国作品「孫子兵法」「孔子伝」「三国志」に釘付けです。実に素晴らしい映像とスペクタクル、何にも増して古代中国の世界に迷い込んだようです。
中国に旅行する度に「孫子兵法」「三国志」の中国版を買って来た当時が懐かしい。現在のドラマは以前と比べて格段に素晴らしい。建物や内装、衣装や青銅器、玉器、武具が良く再現されており、生活や祭祀の描写にも引きこまれる。またCGを使った壮大な戦闘シーン、町並みも楽しめる。ドラマのテンポも良く飽きることなく見終わる。残念ながら「孫子兵法」は終わってしまったが、他の2本は現在BSで放映中です。
奇しくも孫子(孫武)と孔子の生きた時代は重なり、互いに斉と呉、魯から斉と衛に暮らした。この間は遠くて600kmぐらいしか離れていない。ドラマでは両者が出会うことはないだろうが。日本の戦国武将が尊敬してやまなかった偉大な兵法家であり軍師である孫武の鮮やかな采配には胸がすく。一方、孔子は当時よりさらに5百年前の書物や礼楽に詳しいだけの堅物で理想家に描かれており、見ていて歯痒い思いがする。しかし当時、春秋時代の乱世真っ盛りの中で、理想を実現すべく、泥と芥にまみれながらも王家の有るべき姿を訴え、文盲の庶民に礼を説く姿に私はいつしか親近感を持つようになった。論語によく出てくる弟子の子貢、顔回、子路の人物像が手に取るようにわかる。役者の孔子役、いしだ壱成の顔回役も良い。このドラマは人物像と言説が丁寧に描かれている。もっとも惹かれるのは起伏のある冬枯れの原野と琴の音である。この孔子のドラマを見ていると、文化大革命で排斥された孔子が今の中国には必要であり、待望されているような気がする。すばらしいドラマです。是非とも一度見て下さい。
三国志は、幾度見てもそのおもしろさは格別です。軍師の戦略と論説、敵味方の駆け引き、大スペクタクル、愛憎劇、シナリオと映像、俳優、いずれをとっても一級の娯楽作品でしょう。ここまで中国ドラマが良くなれば、韓国の歴史ドラマも負けてはいられないでしょう。現在は少しマンネリしてきたようです。